テニスのストリングを自分で張るようになると、意外と面倒なのが張替え履歴の管理です。
「このラケット、前回いつ張ったっけ?」 「テンションは何ポンドだった?」 「このストリング、あと何m残っている?」
これまでは、張り替えるたびにメモ帳に日付・ラケット・ストリング・テンションを記録していました。記録自体はできるのですが、続けているうちに不満が出てきました。
まず、外出先で確認できないこと。テニスコートで「今何ポンドで張ってたかな?」と思っても、メモ帳は家にあります。
さらに、ラケットを複数本使っていると、同じメモ帳に時系列で書いていくため、同じラケットの記録が別々のページに散らばってしまいます。特定のラケットについて「これまでどんなストリングを張ってきた?」と確認したくても、ページを行ったり来たり。スマホのメモに切り替えてみても、毎回「日付、ラケット名、ストリング名、テンション……」と入力する手間や、過去の記録を探しにくい点は変わりませんでした。
専用アプリも探してみたが
もちろん、ストリングの張替えを管理できるアプリやサービスはすでに存在します。いくつか調べてみましたが、機能が多すぎたり有料だったりして、自分が欲しいものとは少し違いました。
私が欲しかったのはシンプルなことです。
- スマホを開けば、ラケットごとの張替え履歴がすぐ分かる
- 張替えを登録したら、使ったストリングの在庫も減る
基本的にはこれだけ。以前なら「ちょうどいいアプリがないなら仕方ない」で終わっていたところですが、「だったら自分が使いやすいものを自分で作ればいいのでは」と考えるようになりました。
スマホアプリ未経験だけどChatGPTに相談してみた
とはいえ、私はスマホアプリを作った経験がありません。そこで使ったのがChatGPTです。
最初から細かい仕様書を作ったわけではなく、基本的にはキャッチボールの繰り返しでした。「こんなアプリが欲しい」と伝えて作ってもらい、実際にスマホで触ってみて、「ここが使いにくい」「この機能が欲しい」と伝えてまた修正してもらう。
例えば、ストリングの在庫が24mあり、そこから縦に6m・横に6m使うと、本来は残り12mになるはずが、実際には18mと表示される不具合がありました。「24mから縦6m、横6m使ったのに18m残っています。12mになるはずです」と普通の言葉で伝えて修正してもらう、という作業を繰り返しました。
こうして約2日で、実際に使えるアプリ「String Log」が完成しました(正確にはWebアプリ)。名前はストリングの記録なので、そのままです(笑)。大手企業が作るような本格的なアプリではありませんが、自分がストリングを張るときに使いやすいことを最優先し、使わない機能を入れず「これは欲しい」「これはいらない」と実際に使いながら決められたのが良かった点です。
String Logでできること

ラケットを1本ずつ登録
同じモデルを2本持っている場合でも「VCORE 98 #1」「VCORE 98 #2」と別々に管理でき、ラケットごとに過去の張替え履歴を確認できます。紙のメモ帳で感じていた「記録があちこちに飛んでしまう」という問題を解消できました。


張替え内容をスマホから登録
日付は自動入力にし、ラケットやストリング、テンションは登録済みのものから選択するだけにしたので、スマホでも入力しやすくなっています。


ハイブリッドと在庫管理に対応
縦と横で違うストリングを使うハイブリッド(例:縦がポリツアーレブ、横がTEC FLOW)にも対応し、テンションや使用長さを縦・横それぞれ記録できます。24mのストリングを登録し、縦6m・横6m使えば、自動的に残り12mと計算される在庫管理も搭載しました。ロールストリングだけでなく単張もm単位で管理できるので、単張を半分だけ使うハイブリッドにも対応できます。

ストリングの自己評価も可能
使用したストリングの飛び・スピン・コントロール・打感などの評価も残せるようにしました。ハイブリッドは組み合わせが増えてくるので、記録しておくと次に選ぶときの参考になります。

実際に使うと見えてくる「ちょっとした面倒」
アプリを作って終わりではなく、実際に使うつもりで操作すると「毎回このボタンを押すのは面倒」「ここは最初から6mにしておいてほしい」など、次々に気になる点が出てきました。例えば、項目を選んだあとに毎回「完了」を押す仕様だったところも、「選んだらそのまま反映された方が楽」ということで変更しました。こうした細かい部分は、実際に使う人でないと気付きにくいところかもしれません。自分専用だからこそ、遠慮なく変更できます。
PWAという仕組みで作っているので、スマホホーム画面に追加しておけば、普段は普通のスマホアプリに近い感覚で起動できます。私に必要だったのは高度な機能よりも「スマホを取り出して、すぐ入力・確認できること」でした。
アプリ開発って、もっと難しいと思っていた
今回一番驚いたのは、String Logそのものよりも、アプリを作ることへのハードルが想像以上に下がっていたことです。スマホアプリを作った経験がない私でも、ChatGPTとやり取りしながら約2日(計10時間程度)でここまで作れました。もちろん一発で完成したわけではなく、不具合や「思っていた操作と違う」という場面も何度もありましたが、その都度「こうしたい」「ここがおかしい」と伝えて直していく。難しいプログラムを書くことよりも、自分が何を作りたいのかを考えることの方が重要だったように感じます。
世の中には便利なアプリがたくさんありますが、「機能が多すぎる」「ここだけ違う」ということもあります。生成AIを使えば、自分専用の小さなアプリを自分で作るという選択肢も、今は現実的になってきたように感じます。専門知識がまったく不要とは言いませんが、興味がある人なら挑戦してみる価値はあると思います。
まとめ|欲しいアプリを自分で作ってみた
紙のメモ帳で感じていた不便を解消したくて作り始めた「String Log」。スマホアプリの開発は初めてでしたが、ChatGPTに「こうしたい」「ここが使いにくい」と相談しながら修正を繰り返し、約2日でラケットごとの履歴管理やストリングの在庫管理まで、実際に使える形になりました。
何より驚いたのは、アプリ開発が想像より身近だったこと。「ちょうどいいアプリがない」で諦めていたことも、今は自分で形にできる時代なのかもしれません。
まずは自分のストリング張替えで使いながら、必要に応じて改善していこうと思います。もし「使ってみたい」という人がいれば、今後公開することも考えてみたいですね。



